バブルのころ その3

近ごろ琴線に触れた言葉は「大事なことは朝決めろ」です。
眠いときにあれこれ悩んでも、良き解決策が見つかるはずもなく。
「朝の脳は綿、午後の脳は石、夜は鉄」という、外国のことわざもあるらしい。

昔、広告業界の事務所に出入りしていたことがあって。
個人経営に毛の生えた程度のところだったが、バブル真っ盛りのころゆえ物凄く忙しそうだった。
数人ほどのスタッフが、いつも眠そうな顔でワープロに向かい(パソコンはまだ普及していなかった時代)。

そんな常に徹夜明け状態で働く彼らの仕事に間違いの多いこと、多いこと。
打った文、誤字脱字のオンパレード。
信じられないような誤植って、こんな現場から生まれるんだって納得した。

彼らは多忙であることが誇りみたいだったから、睡眠時間の殆んどない自分たちの働きぶりをいつも愚痴の形で自慢していたけど。
でも普通に寝た方が、効率的でいい仕事できるだろう。
はたから見てて、そう思ってたよ。