君膵
2月に受けた手術、実はかなり大がかりなものでして。
そんじょそこいらのチンケな病院じゃできねぇオペだよ、と主治医は言いました。
もちろん、そんな言い方はしなかったけど。
肝臓で作られた消化液(胆汁)は胆嚢で濃縮され、胆管という管を通って十二指腸へ送られます。
その胆管に、ガンができていました。
まずはそれを切除するのが、大きな目的でした。
さらに、ガンは周囲にも広がっていましたので。
胆嚢全部と、膵臓の半分を切りました。
さらに通常は十二指腸も切るところですが、自分の場合は潰瘍のために10年前にもう切ってありました。
胆管がなくなったわけですから、胆汁の通り道をどうにかせねばなりません。
対策として、腸を引っ張り上げてきて肝臓と繋げます。
半日がかりの、大手術だったわけです。
「大変な手術なので、大勢のスタッフが関わります。我々も頑張りますから、イトウさんも頑張ってください。まさかもう、タバコはやめてくださいましたよね?」
数日前の説明で、主治医は言いました。
「やめました」と答えたけど、ごめんなさいM先生。
あの日の時点では、まだ吸ってました。
それほどの大手術を、仕事とはいえたくさんの方々がこんな男のために頑張ってくれる。
その命を無駄にはできないと、節制を決意しました。
自分ひとりで生きてるんじゃないと、きれいごとでなく感じたのです。
で、今日の投稿で何が言いたかったかというと。
以上のような経緯から、「君の膵臓を食べたい」と言われても。
もう、半分しかないよ。