ヒデキ論

あんなに衝撃を受けるとは、自分でも意外だった。ヒデキの訃報に接した5月17日の昼前。脳梗塞を二度患い、リハビリしながらステージに立ちつづけているのは知っていた。けど、死んじゃうとは。まだ、62歳だったのに。

 


男のアイドルだったから、表立っては言わなかったけとど、中学生のころ好きだった。「ちぎれた愛」「薔薇の鎖」「ローラ」の辺り。

 


「薔薇」の、スタンドマイクを使ってのステージング。後にロッドスチュワートあたりの本家本元の芸を見ても、そんなに驚かなかった。何しろ、ヒデキがテレビで毎晩のようにやってるのを見てたんだから。

他にも、ハンドマイクの使い方とか全身を使ったアクションとかシャウトの仕方とか、本格的にロックを聴く前に、我々昭和っ子はヒデキにロックっぽいヴォーカルの基礎を教わっていたともいえる。

歌い方、特にコブシの入れ方とか、本格的なロックヴォーカルとはちょっと違った和な歌謡曲テイストが入ってて、それが取っ付きやすさを醸し出していたんだよね、いま思うと。いきなりホンモノには入っていきづらいからね。周りのスタッフなんかも含めて、ロックっぽさを維持しつつ、なるべくマニアックな方向へは偏らないで、大衆に愛される像ってのを研究し続けたんだろうね。合掌。