バブルのころ

バブルのころ住んでいた家の向かい側が空き地で、地主と思われる不動産関係の紳士がしょっ中来てた。
顧客らしき人と待ち合わせ、黒塗りのシーマで現れる。
助手席にいつも、派手な身なりのお姐さまが坐しておられて。

紳士の方が客に土地についての説明をしてるっぽい間、お姐の方は助手席でぼんやり待っていた。
話が長引いて退屈がMAXに達したっぽいときには、毛ばたきで如何にもお義理にって感じで車の掃除を始める。
でもほぼ毎日、スタンドかどっかで洗車してもらってる感満載のピカピカぶりなんだけどね。

お姐さまは、一応秘書名目か何かで置いとくのかも知れんけど。
つい昨日までスナックで働いてましたオーラ出しまくりの、キャラとメイクとファッションセンスで。
通いつめた不動産屋が「俺の秘書やらないか?月50万出すぜ」な感じで口説き落とした、実質愛人と思われ。

その不動産屋にしたところが、前半では「紳士」って書いたけどあの頃うじゃうじゃいた脂ぎったバブル不動産屋風で。
当時は、そんなカップルが日本中にワンサカいたんだろうな。
結局土地は売れなかったらしく、空き地のままバブル崩壊を迎えた。

いまは、ソーラー発電所になっている。