セント・オブ・ウーマン/夢の香り

きのう観た映画は、「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
タイトルぐらいしか知らず、予備知識なしだったが。
それでよく観に行ったなと思われかもしれないけど、「午前10時の映画祭」を信頼しているので。

タイトルバックにアル・パチーノと出た瞬間に(主演俳優が誰かも知らなかったのです)これは当たりだ!と心で叫び、実際に当たりだった。
過去、アル・パチーノダスティン・ホフマンが出てればハズレはなかった。
クリント・イーストウッドは、1本だけ詰まんなかった。

アル・パチーノは、本作で初めてオスカーを獲った由。
盲人の役、瞳を一切動かさない素晴らしき演技。
退館後、アル・パチーノになりきってラーメン食らう。

火蟻について私が知ったこと

いま世間を騒がせている火蟻についてですが、先日のラジオで耳寄りな話を聞いたのでお裾分け。
国立防疫研究所(運転中に聞いたのでメモ取ってません。名前、間違ってるかも?)の研究員さんの話、以下要点抜粋。

⚪︎火蟻はやがて浸入してくるだろうことは、あらかじめ予想していた。想定内。
⚪︎よって、かなり前から我々は対策を講じている。
⚪︎蟻は地上にいるヤツをいくら退治しても無意味。
⚪︎巣にいる卵や幼虫が孵らないようにして、次の世代以降で退治するやり方が有効。
⚪︎そして既に、巣に持ち帰らせて卵や幼虫に作用する薬が開発済み。
⚪︎アルゼンチンアリというやはり外来の蟻に対して予行練習をした結果、一度は根絶に成功した。
⚪︎火蟻もやっつけてやりますよ、ワッハッハ。

研究員氏、かなり自信満々の様子。
「何でそんなに騒いでるの?」的口調で飄々と語っていた。
私は、彼を信用できると判断した。

TAP THE LASTSHOW

昨日のヤスジロー
夕方、映画「TAP THE LAST SHOW」を観に行く。
監督と主演の水谷豊が番宣で出たラジオを聴いたときから、自分が観るべき映画と感じていた。

水谷豊といえば、今や「相棒」の人。
その「相棒」には、馴染めないものを感じていたので。
今回の「TAP…」にも、迷いがあったのだけれど。

上映しているのも県内1館のみで、しかも遠めだったし。
でも、迷ったときは行った方がいいのだと再認識。
だから迷ってる人がいたら、行っちゃうことをオススメします。

人によっては、辛い点数をつけることでしょう。
タイトル通り、TAP のSHOWがメインになるわけで。
主要な出演者が、クライマックスでTAPを踊りまくる。

オーディションで選ばれたダンサーたちが演じるのだけれど、役者としては素人の模様。
当然、演技は拙い。
その辺、耐えられない人にはツラいでしょう。

主要な役者がそんな風だからか、ストーリー展開にも深みはありません。
いつかどこかで見たことある的な物語で、次に何が起こるか分かってしまいます。
出演者たちが微妙な演技をできないのだから、致し方ないのでしょう。

けれど自分は、そんなこと一切気になりませんでした。
あの素人な演技もベタなストーリーも、リアリティーがあって良かった。
厳父にTAPを続けることを反対されて泣く女の子の演技なんて小学生並みですが、そこに宿るリアル。

その辺に耐えられない人も、ラストのTAP SHOWには文句のつけようがないはず。
よくぞ撮った、日本映画史上に残る20数分。
あとでレンタルじゃ駄目、大画面と大音量で体感しないと。

中盤ぐらいから、ずっと決めていたこと。
終わったら、スクリーンに向かって拍手しようと。
そして、生まれて初めて実行した。

バブルのころ その3

近ごろ琴線に触れた言葉は「大事なことは朝決めろ」です。
眠いときにあれこれ悩んでも、良き解決策が見つかるはずもなく。
「朝の脳は綿、午後の脳は石、夜は鉄」という、外国のことわざもあるらしい。

昔、広告業界の事務所に出入りしていたことがあって。
個人経営に毛の生えた程度のところだったが、バブル真っ盛りのころゆえ物凄く忙しそうだった。
数人ほどのスタッフが、いつも眠そうな顔でワープロに向かい(パソコンはまだ普及していなかった時代)。

そんな常に徹夜明け状態で働く彼らの仕事に間違いの多いこと、多いこと。
打った文、誤字脱字のオンパレード。
信じられないような誤植って、こんな現場から生まれるんだって納得した。

彼らは多忙であることが誇りみたいだったから、睡眠時間の殆んどない自分たちの働きぶりをいつも愚痴の形で自慢していたけど。
でも普通に寝た方が、効率的でいい仕事できるだろう。
はたから見てて、そう思ってたよ。

ポイントカードが世にはびこり出したころはレジで勧められるままに作ってて、いつの間にか財布がパンパン。
どこのカードを持っててどこのを持ってないか分かんなくなって、重複して作っちゃったり持ってるのに提示しないじゃったり。
あるとき煩わしくなって、全部捨てた。

それとは別に「損をするという生き方」って本を斜め読みしたことがあり。
『人間の欲望は限りないから、得しよう得しようと思ったら決して満足することはない。二つの道があったら損する方を選び、やったー!損した〜って喜べる生き方なら常に願いが叶うことになる。損するって、何て自由‼︎』という内容に、心を鷲掴みされた。
ポイントカード止めた自分の選択も、まんざら間違いじゃなかったなと。

さてそんな自分は昨日映画を見に行きまして、チケットを買った際にポイントカードを勧められたわけです。
即座に断わったのですが、窓口氏は持ってると得しますよとメリットを並べたてる。
一応聞いてるふりをして、結局は作らない。

そんなときに、「そうですか、そんなに得するんですか。じゃ作りません。損するように生きるのが座右の銘なんです」って言いたいところだが。
そんなこと言っても、相手は「⁇?」だろうから。
笑顔で「やっぱりいいです」としか、言わなかった。

バブルのころ その2

若い皆さまは、ご存知ないかもしれないが。
かつて「ふるさと創生資金」という政策を、国が行なったことがあって。
平たく言えば「全国の市町村に1億円ずつ配るから、何でも好きなことに遣えば?」というものだった。

バブル末期の頃、日本中がちょっとイカれていた。
だからこんな、イカれた政策も打ち出されのだろう。
遣う方も遣う方で、イカれていた。

いま振り返ってみるとドブに捨てるような遣い方を平気でしていたのだ、全国的に。
主な市町村がどんな遣い方をしたか、それを追跡調査したサイトがあって。
怒るというより、笑ってしまう。

1億をそっくりそのまま定期預金にして、結構な額の利子収入を得たところもあったらしいが。
そこが、一番有意義な遣い方をしたとも思える。
でも当時のノリは、そんなじゃなかったんだよね。

消費や投資こそ美徳、普通に預金して普通に利子収入を得るなんて愚かなことってムードが支配していた。
世の中全体が、狂ってたのだ。
だって1億全部で宝くじ買っちゃったところがあったって話にも、揶揄はされたけど厳しくは批判されなかったくらい(それは都市伝説で、実際にそういうことをしたところはなかったそうです)

配った方も「どうせもうすぐこのバブルは弾けるから、このあぶく銭で自分の名を後世に残そう」って思ったんだろう。
(たしか、竹下なんとかってソーリ大臣だった)
全国の市や町や村のドブをあのカネたちは漂い、そして腐っていったのだ。