「日本人の被害者は…」

海外でテロや大きな事故があったとき、ニュースの最後に「日本人の被害者はいません」的なこと言うじゃん?あれ、日本人さえよければいいのかよ💢って感じでどうも嫌だったんだけど、でもアレ言わないと「うちの〇〇は大丈夫?」「知り合いが現地の方にいるんだけど」なんて電話が殺到、大変なことになっちゃうから、致し方なくやっているんだってさ。

先生

漫画家って、先生と呼ばれるよね。手塚・赤塚クラスならいざ知らず、若手(近ごろの若手の名前知らないけど)でもそうだよね。比較的新しいジャンルなのに、意外っちゃ意外。

例えば小説家。漱石や鴎外の時代はともかく、村上春樹先生とか林真理子先生って一般的には言わない。編集者なんかは別だろうけど。

文学界の方が封建的なイメージあるけど。どうなんだろう?もしかしたら、漫画界は今でこそ世界に冠たるクールジャパンだけど、かつては「マンガなんて」って、低く見られてた歴史があるから、関係者が権威づけのために意識して先生って呼んで。その名残りが今日までつづいてるんじゃないか、と仮説を立ててみたが、みなさんのご見解は如何?

本当のことなんか

ボスのことかばって嘘をつきまくってる人たちって、純粋にボスのことが好きなのか、そうすることが美学で酔っているのか、それとも本当のことを言えば殺されるのか、相当な弱味を握られているのか。どーなんだい?サガワくん、ヤナセくん。

訛り

いま読んでるのは、長塚節の「土」。
この歳にして、初めて紐解いた。
学校の授業で習って、タイトルだけは知ってたけど。

ふるさとゆかりの作家でもあるし、いろんなところで目にしてもいた。
でも、読んだことはなかった。
知ってるけど読んでないシリーズ、樋口一葉とかドフトエフスキーとか。

さて、「土」だが。
暗いか明るいかと問われれば、暗い小説です。
明治のころの農村の、貧農の家が舞台ですから。

はしがき(この小説のファンだった夏目漱石が書いている!)を読んでいるときは、イヤな予感がしていた。
読むのに辛抱が必要、とあったから。
けど、自分にはむいてたようで。

冒頭から、すんなり入れた。
こういう世界、嫌いじゃない。
あと、茨城県人であるのも幸いだったかも。

舞台が身近で、知ってる地名が出てくる。
土浦とか霞ヶ浦とか、鬼怒川とか。
さらに、もっと大きいのが。

登場人物の会話が、オール茨城弁。
それも、ネイティヴな。
とってつけたように、語尾を『だっぺ』で終わらすヤツじゃなく。

むかし何かで知った「農村社会は男女同権だった」論。
男女とも同じ言葉遣いをするのが、その証拠である。
この小説の登場人物たちの話言葉も、男女まったく同じ。

「〇〇は、こう言った」などの説明の文がなければ、誰のセリフかわからない。
そういえば、うちのばあちゃんも身の回りのばあちゃんも自分のこと「オラ」って称してた。
女だから女らしい言葉遣いをするって発想は、なかったんだ。

野良に出れば、男も女も同じに働く。
だから男女平等、性差別なし。
夫婦どちらかが欠ければ即、仕事が立ちいかなくなってしまう。

男女が違う言葉遣いになったのは、武家社会からだそうで。
男は外で働き、女が留守を守る。
別々に働くようになって、男女の区別が生まれた。

そんなことも、「土」を読みながら思い出した。
男も女も、貧しさに喘ぎつつ必死に「土」を踏みしめて戦っている。
以上、読み始めたばかりの序盤戦での感想でした。

大き子ら

小学校低学年のころかなぁ、うちから自転車で5分ぐらいのところに田んぼがあってさ。
そのわきの小川に、ざりがにがいっぱい棲んでたのさ。
ざりがにの巣の在り処も、俺は把握してて。

学校から帰ってくると、自転車でそこへ行って。
毎日、定点観察をしてた。
捕まえるわけでもなく、ただ眺めてるだけ。

あっ、捕まえてきてバケツで飼ったこともあったけど。
正しい飼い方なんて知らないから、すぐ死んじゃって。
自然の中にいるのが一番って気づいたんじゃないか?子供ごころに。

毎日毎日通ってると、そこの小川が自分のものみたいな感覚になってね。
もちろん、そんなわけはないんだと知らされる事件がやがて起こる。
嵐のように、それはやってきたさ。

いつものようにそこにいると不良の中学生が3人、自転車で通りかかって。
「こんなところで何やってんだ?」と、訊く。
正直に「ざりがにを……」と答えると、彼らは自転車を停めてこっちへやってきた。

そして、俺のモノだと思っていてざりがにと巣に攻撃を始め。
何匹かは殺され、巣は破壊され。
低学年の小学生にとって中学生なんて凄い大人に見えたから、抗議もできず。

じっと耐え忍んで一部始終を目撃、次の日からは行かなくなった。
今朝の散歩でその場所を通り、久々にトラウマが蘇ったよ。
今じゃコンクリートで塗り固められ、ざりがにのざの字も見当たらなかったけど。