だれだ

小6のときのクラス会で、マイクロバスによる送迎があった。
発着地である近くの駅へ行くと、既にバスは来ていた。
何人かは、もう乗り込んでいる。

小6のときのクラスメイトはまとまりがあり、もう何度か集まっている。
ただ前回は自分は参加できず、ほとんどのメンバーとは15年ぶりぐらいの再会だった。
他人のことは言えないが、皆なかなかに老けており。

顔を見た一瞬は「⁈」だが、それでも次の瞬間にはタイムマシンに乗ったように記憶は時空を遡り。
あぁ〇〇だぁ〜と、相手を認識できる。
たいていは、ほとんどは。

がしかし、何事にも例外はあり。
ひとりだけ、どうしてもわからなかった人が。
その人は、自分の後ろの席に座していたのだけれど。

乗り込むときに向こうから挨拶され。
一瞬、誰か全くわからず、次に先生か?と思い、でも先生とは似ても似つかぬ面影。
暫し考えたのち、用務員のおじさんととりあえずの結論(後から冷静に考えたら、用務員さんが来るわけないんだけど)。

バスは、小一時間ほど走行。
その間ずっと、隣席となった女子たちと近況を語らいつつも、ずっとずっと後ろの席を紳士が誰か気になって気になって。
かつてのクラスメイトたちの顔を一人ひとり思い浮かべては、アイツじゃないコイツでもないとやってるうちにハッと思い出した。
会場に着く前に思い出せて良かった。
飲み始めてからの会話がスムーズにいけた。

で、ふと考えたのだが。
同じような状況で、最後まで思い出せぬヤツがひとりおり。
三次会あたりで気心知れたメンバーばかりになったとき。
「あの、先生の隣の隣に座ってた人って誰だっけ?」
「あっ、お前もわからなかった?俺も、ずっと考えてたんだけど……」
って展開になり、実はその場にいた全員が出せ誰だか思い出せなかったという、ホントにクラスメイトだったのか?あんなヤツいなかったんじゃないか?じゃ、何のために来たんだ……
っていう、ちょっとホラーなストーリー。

同じような状況から、浦沢直樹氏は「20世紀少年」のアイデアを思いついたらしいけど。